製品概要

製品名:　KFCD®(微細化球状黒鉛鋳鉄)シリーズ

KFCD®は、一般のダクタイル鋳鉄(FCD)で問題となる厚肉中心部の材質劣化＝“黒鉛形状の崩れ”が極めて少なく均質性の高いことが特徴であり、製品実体での性能保証ができるダクタイル鋳鉄シリーズです。

図1は300mm3立方体形の例ですが、A)KFCD®は厚肉中心でも球状化率がJIS規格値を満足し強靭性が保証できます。一方、B)一般FCDはフェーディングにより黒鉛形状が崩れて強靭性がほとんど期待できないということが問題になります。

製品の概要

KFCD450(フェライト系FCD)

ダクタイル鋳鉄の特徴である強度と延性に優れるのはもちろんのこと、鋳鋼並みの疲労強度を有し、鋼と同等の耐久性が期待できます(図２・図3)。

図2　KFCD450と一般ダクタイル鋳鉄・鋳鋼との疲労強度比較(S-N線図)

KFCD450の採用事例

①火力発電用タービンブレードをニアネットシェイプ化（鋳造品化）により機械加工工数を削減→顧客先のコスト・リードタイムの低減に貢献(図4)

KFCD800(全パーライトFCD)

熱処理レス(鋳放し)で製造でき、冷却スピードの違う肉厚変動(薄肉部と厚肉部を有する)のある製品においても黒鉛球状化率が安定しているので、製品全体のパーライト組織が均一なため、強靭性を損なうチル等の炭化物がほとんど存在しません。パーライト基地の鋼に黒鉛の潤滑性を持たせた“複合料”であり、偏摩耗等の発生しにくい耐摩耗性に優れたダクタイル鋳鉄です(図５)。

KFCD800の採用事例

①ニアネットシェイプ化により印刷機器ギア部材の溶接レス化を達成
→顧客先のコスト・リードタイムの低減に貢献

②大型パイプ製造6万tonプレス用金型の強度安定化および潤滑性アップ
→製造工程上、金型部材として潤滑性のない鋼は使用できないが、長寿命化したKFCD800により消耗部品から備え付け治具化

KFCD900・950(全パーライトFCD)

パーライト組織の緻密化(ラメラー間隔の微細化)のみにより、熱処理レスでさらなるダクタイル鋳鉄の高硬度化(硬度はHB290～340)を実現しました(図6・図7)。

KFCD900の採用事例

超高層用世界最高速エレベーターメインシーブの基地組織を均一微細にして耐摩耗性アップ→長寿命化により部品交換レス化に貢献。

採用いただきたい企業様

• エレベーター　メーカー
• 油圧関連機器　メーカー
• 産業用ロボット　メーカー
• プラント　メーカー
• 産業機械　メーカー
• 農機、建設機械メーカー

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