怖い話

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もう大昔の話ですが、これを読んで戴けると以下の2つの教訓が得られます。

小生が30年近く前に、米国のニューヨークに商社マンとして駐在していた頃は1年間の出張日数が100日をはるかに超える多忙な日々を暮らしていました。ニューヨークはもともとテンションの高い街ですから、国内出張時にラガーデイア空港から飛行機に乗ると、それだけで緊張が緩み、自分がニューヨークに住んでいるにも関わらずほっとしたことを今でも憶えています。

2つの教訓

その時は、ブラジル出張でしたので、JFK空港からリオデジャネイロ行の今は懐かしのパンナムの夜行便に乗っていました。離陸して、飲み物のサービスに続き、食事が出た後ゆったり・まったりとしているところに、機長のアナウンスがありました。

“レデイス&ジェントルマン”から始まるお決まりのアナウンスの後に“あるいは気が付いている方がおられるかも知れませんが、この飛行機の4基のエンジンのうち1基が現在止まっています。それでもリオデジャネイロまでのフライトには全く支障が無いので、このままフライトを続けます。リラックスして、おやすみになってください“とのことでした。

ちょっと気持ちが悪いが、機長の話が余裕たっぷりだったので、ああそうかという程度でした。ところが、それから1時間程過ぎて、うとうとしているところに、再度、機長からアナウンスがありました。

今度は最初から緊張感たっぷりの大変暗い声で“レデイス&ジェントルマン”で始まり、なんと“あるいは気が付いている方がおられるかもしれませんが、実は4基のエンジンのうち、さらにもう1基が止まってしまいました。この飛行機は2基のエンジンのみでも飛行は続けられますが、1基のエンジンだけでは飛行出来ません(墜落するということですよね)。

最寄りのマイアミ、アトランタ空港はこの飛行機(ボーイング747)の緊急着陸をする体制が整わないという事なので、これからこの飛行機はUターンして、JFK空港に引き返します“というではありませんか!

それからの2時間弱のフライト中、飛行機内はシーンと経験したことのない静けさに飲み込まれた様で、客も乗務員も何とかJFK着陸まで残りの2基のエンジンが止まりませんようにと神にも祈る気持ちであったと思います(こういう時は信仰心の深い方が羨ましいですね)。

そういう時には、普段考えない様なこともあれやこれやと考えたと思いますが、今振り返るとどんな事を考えたのか全く思い出せないものです。そうこうする内に、夜明け前の、薄っすらとほのかに白っぽくなってきた空の下に、JFK空港の滑走路の両側が点々と赤く照らされているのが見えてきて、ああ助かったと思いました。

しかし、

本当の恐怖心を感じたのは、それらの赤い光が大きくなるのに従って、消防自動車と救急車のライトであることが分かった時でした。着陸する間際には滑走路の両側に数えきれない位の消防自動車、救急車の一つ一つの赤いライトがくるくると回っているのが見えた時には、鳥肌が立つほど感動しましたが、それ以上に怖さを覚えました。

飛行場の端の端に止められた我が飛行機からバスに分乗して、とあるホテルに連れて行かれました。一旦海外に飛び立った客は、すでに米国外に出ていますので、再度別の飛行機で7-8時間後に飛び立つまで、そういう用途のホテルがあるのですね。

ビジネスクラスの客には客室が割り当てられました(エコノミーの方々は食べ物のクーポン券を渡され、別の大部屋に移されました)。多くの人が我先にと係員に群がって部屋の鍵やら食べ物のクーポン券を手に入れて、立ち去っていきました。

何せ怖い思いをした後で開放感もあり、みなさん大騒ぎでした。後に取り残されたのは小生と中国系の方の2名のみで二人で合い部屋に入ってくれとのことでした(当時は中国系、東洋系の方はほとんどビジネスクラスにはいませんでした)。

無論、ほかにどうしようもなく、二人でツインの部屋に入りました。どこの誰だか分からず、ろくに話もしなかったのですが、この方が折り目正しい紳士で、カバンの中はきちんと整理整頓され、パジャマも糊がついてパリッとしたものでした。かたや小生はカバンの中はグチャグチャ、パジャマは着古しという有様で、なんとも恥ずかしい思いをしたことを何年たっても忘れられません。

その後は、旅行の際はカバンの中を整理し、パジャマもきちんと畳んで持って行くようにしたことは申すまでもありません。

その数年後、やはり出張で、パキスタンのカラチ飛行場で夜中にチェックイン後、乗るべき飛行機がトラブルで飛べず、ホテルに逆戻りさせられた時には、上記の経験が活かせました。

もともと大きな声ですが、大きな声を張り上げて“部屋は一人部屋じゃなきゃ絶対に嫌だ”と主張し続けて、何とか一人部屋を確保しました。

執筆者:海外支援G 宮崎清

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